ヌメ革小銭入れの修理-その1
使い込まれたヌメ革小銭入れ修理のご依頼です。
糸が切れ、ポケットが崩壊寸前です。
シンプルなデザインですが、かぶせにカービングが施されており、コンチョホックと良く合っています。上質なヌメ革を使用しており、治せばまだまだ使えます。修理する価値のある品だと思います。しかし、制作上のNGポイントが2点、それが今回のトラブルの原因でもあります。
①ミシン縫いであること。
②かぶせとポケットを繋ぐ折れ曲がり部を飾り縫いしてしまっていること。
特に②は致命的です。頻繁に折れ曲がる部分を無意味に縫っているので、飾り縫いの糸は切れ易くなります。一度切れるとミシン縫いですので、ほつれが広がってしまいます。
修理開始です。
(1)最初に糸を抜き取ります。同時に縫い目穴のダメージをチェックします。
(マチ部分は縫い直す必要はなさそうです。)
手製の細錐で本体に傷を付けないように慎重に抜いていきます。
抜き終わりました。縫い目穴は切れておらずそのまま使えそうです。(穴が切れる前に糸がほつれてしまった。)
(2)縫い目穴を合わせて仮止めします。3mm幅の両面テープで緩く仮止めしておきます。
縫い目穴を錐で合わせます。
落ち着かせます。
続く・・・