四国歩き遍路 36日目
10/6 歩数 48,289距離 34.77km 宿泊
道の駅 小田の郷 せせらぎにテント泊
今日は44番大宝寺にどこまで近付けるかポイントだ。目的地は小田の道の駅 せせらぎ距離が30km近くあるので厳しいかも知れないが、行けるところまで行ってテントを張れば良い。いつものようにコンビニの前で地べたに座り地図をチェックしていると、障害者用の駐車スペースにカーステレオをガンガン鳴らし、軽がバックで勢い良く突っ込んで来て止まった。若い男が運転席から出て来て直ぐ、忘れものに気付き車に戻った。助手席側からマスクを取り出し店に入って行った。意外と神経細かい奴だった。そいつが店から出て来た時「はい、温かいの、今日寒いからね、直ぐに飲むと良いよ」と缶コーヒーをお接待してくれた。ちょこっと世間話をして去って行ったが、ハスキーボイスでサバサバとして良い奴だった。 最後の最後に胸を見て女性だと気づいた。感謝! 今日の遍路道は国道とほぼ並行しており、何度か交差している。最初の遍路道に入ると直ぐに真っ直ぐな商店街の入り口になった。「古い、でもなんか生気がある」と感じた。歩いているうちに理由が分かった。この新谷という町は銀河鉄道999の始発駅だったのだ。町も力を入れており、商店街は「鉄郎通り」という。古いが清潔、歩いて気持ちの良い 通りだった。2本目の遍路道は前半と後半で全く雰囲気が違う。前半は林の中の幅広いフカフカした道を歩いて行く。左手は山、右手は湿地、沼、田圃や畑が木々の隙間から見え隠れする。湿地にはがまの穂、沼は水草で覆われている。未開発の自然遊歩道という感じで楽しかった。後半は住宅街を抜けて内子の商店街に入る。ここも古さを生かして活気があった。間口も小さな店がそれぞれ潰れずに商売出来ているのが不思議だった。昔懐かしい「金物屋」があり、遠目に覗くと雑とした品揃えが昔そのままだった。内子座には有名落語家も来る、まさに生きた町だった。
商店街に入る前の住宅街でおかしな男に会った。自宅の駐車場に石を並べて絵を描いている。四角に石で区切り中に抽象模様が又色とりどりの石やガラスのカケラ貝殻で描かれている。駐車場全体にいくつもある。モザイク画のエスキースかと思ったがなんだかわからない。石をいじっている初老の男性と目が合ったので聞いてみた。「何ですか?これは」「これは石ころアートです」内子町では有名人でラジオに出たり、石ころアートの本も出している。定年後はこれを趣味にし、収入もあるとのこと。話好きな人でかつ話が面白いのでリュックを下ろして話し込んでしまった。名刺を交換して別れたが長居し過ぎた。小田まで辿り着けないかも知れない。急がねばと歩き出して気が付いた。内子の駅の方に降りて行くべき所を遍路矢印を見落として行き過ぎていた。道を間違えての出会い「縁」だった。
大瀬は柿の産地で今が旬。至る所に直売所があり、無人もある。安くて美味そう、でも数が多い。一個で良いのになと思っていたら、無人直売所で「これは売り物ではありません。ご自由にどうぞ」と傷ものが籠に積まれていた。良さそうなを一つ頂いて、糊付けしてない良い方の前歯で 皮を剥いて食べた。食べたい物をタイムリーに与えられた。美味かった、感謝!
道の駅には16時15分頃着けた。今の時期、山の日暮れは早い。ドンドン薄暗くなるので ズンズン歩いた。